着眼点の構想

読書、音楽、お酒 などについて、語っていきます。

池井戸 潤 『かばん屋の相続』を読んだ

以下の6篇。

十年目のクリスマス
セールストーク
手形の行方
芥のごとく
妻の元カレ
かばん屋の相続

 

「かばん屋の相続」は、相続税の話かと思い、
読んでみたが違っていた。

全て銀行員の話である。

「妻の元カレ」のみ、銀行の話は殆ど出てこないが、
それ以外、銀行の中でも 融資担当で、中小企業が相手のため、
資金繰りに苦しむ、まさにドラマと言って良い
ストーリーを展開している。

「かばん屋の相続」は、「こんな話 あるか?」と思ったが、
実話を元にしている。
実話を元にしているためか、他の5編の方が面白かった。

解説に書かれているが、「芥のごとく」は、
著者の体験が投影されているのではないか、とのこと。
最後の最後まで書いていないが、悲しい結末である。

特に、以下の4篇に人間ドラマが凝縮されており、
"ハラハラ"させられ、先が気になって一気読みしてしまう!

セールストーク
手形の行方
芥のごとく
妻の元カレ