着眼点の構想

読書、音楽、お酒 などについて、語っていきます。

住宅ローンの変動金利の落とし穴/盲点

住宅ローンを借りる際、固定金利と変動金利がある。

変動金利の方が金利が低いので、
変動金利を選ぶ人が多いようである。

また、元利均等と元金均等というのがある。
元利均等は、毎月の返済額が変わらないタイプ、
元金均等は、毎月返済する元金が変わらないタイプで、
返済額は初め多く、徐々に少なくなるので、選ぶ人は少ない。

返済する金額は、"元金返済額"と"利息"に分けられ、
"元"金返済額と"利"息の合計が同じものが 元利均等。


■ローンの返済は、以下のルールがある。
1. 月々の返済額から、残高に対する利息を先に差し引く
2. 残った分を残高の返済に充て、残高が毎月減る

■変動金利には、以下のルールがある。
3. 金利は半年毎にしか変わらない
4. 返済額は5年間変わらない
5. 5年毎の返済額変更時でも返済額は125%超にはならない


上記 4.と5. は、一見 返済し易くしたように見える。

が、これが変動金利の落とし穴である。

金利が下がる場合は問題ないが、
上がる場合、大きな問題となる。


理由は、上記 1.と2. にある。

利息というのは、「残高に対して払う」という事が決まっており、
変わらない。

金利が上がっても 返済額が変わらない」
というのは、元利均等にとって、
上記 2. の「元金返済額が減る」事を意味する。

これにより、残高が減らなくなり、
残高が減らなくなる事によって
更に利息が高くなる、という現象が起きる。


例えば、3,000万を1%、35年で借り、
7か月目から金利が1.5%に上がった場合。

f:id:chakugan:20180814113754j:plain


左が最後まで1%だった場合、
右が7か月目から金利が1.5%に上がった場合。

※2年目~5年6か月目まで 中略

 

7か月目から元金返済額が減っていき、
それに合わせて残高も減らなくなっている。

7か月目から金利が上がることにより、
6年目から返済額が 84,685 → 93,119 へ上がるが、
金利が固定の場合と比較し、
元金返済額は16年11か月まで金利1%の方が多い。


これにより、利息が多くなっていき、支払う利息の合計は、
金利1%:5,567,804
7か月目から金利1.5%:8,604,037
と、304万もの差が出る。


金利が上がったら、合わせて返済額も上げた方が、
元金も減っていき、返済し易くなる。

金利が上がっても返済額が変わらない、と言うのは、
「元金を0にする」事に対し、
『後々 返済しにくくする』という事を意味する。